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2006/11/18

河合勇作"chained clouds"

連鎖する雲型チェーン

241_02_1_3手法をキープしながらカタチを変容させてきた河合作品。ひと目見て彼の作品だと分かるのは、金属板を溶接した空洞管のドローイングという一貫したスタイルゆえだ。以前「平面的に描いたカタチを型紙のように切り抜いて立体化していくんです」と話してくれたことがあった。工程を聞いただけでも手間の多さを察することができるが、作品に手作りの痕跡を残したいというこだわりが彼を作業に駆り立てる。

これまで乗り物とか遊具とかわかりやすいカタチのラインナップだったが、今回の曲線でできた輪は一体何のカタチだろう? 河合さんは沖縄に移住して2年、日頃から青い空に浮かぶ巨大な雲を眺めているうちにドローイングのネタになったらしい。モクモクとした雲の輪郭をかたどり、それをチェーンに見立てて何個もつなぎ合わせ、最終的に大きな輪をつくっている。どこが起点なのか、職人的な仕事ぶりのため全然わからない。知恵の輪を解くように雲をバラバラにしたい気持ちも浮かんでくるが、結束力はあたりまえだが硬い。

241_02_2_2

今回は「線の彫刻を複数用いて連鎖させようと試みた」そう。「連鎖」とは相互の「関係」を想起させるもの。雲型はどれも同じものはなく、隣り合うカタチの違いを浮き彫りにする。交差させる個所の大きさだけは固定し、あとはフリーライン。唇のカタチ、綿菓子のカタチ、歪なカタチ。壁面には雲型を8つ繋いだフレームのような作品、鍵束のように5つを束ねた作品が展示されていた。「彫刻の立ち方」にこだわってきた作家の、しなやかな新境地を見た気がした。

開廊10周年記念展
河合勇作 "chained clouds"
GALERIE SOL
2006年11月6日(月)〜11月18日(土)
日休
11:00〜19:00 金曜〜20:00 最終日〜17:00
入場無料
03-5537-6960
東京都中央区銀座6-10-10 第2蒲田ビルB1F

words:斉藤博美

2006-11-18 at 01:23 午前 | Permalink

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