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2006/09/29

ビル・セイラー ジョシュ・スミス展

Bill_101josh_2左:ビル・セイラー、右:ジョシュ・スミス作品

ギャラリーでは、ニューヨーク、先端、要チェック!という感じで見ていたのだが、どうも今このカタカナで見ていると、広川太一郎などの吹き替え外国映画的な笑いに見えてしまう。いや絶対そうではなくて、異国の文字で描かれた自分の名前が見知らぬ形象や存在に見えてくるとか、意味をはずれて絵画的な要素になっていくとか、いろんなことがあるだろう。質感もいろいろ変えているし。ジョシュ・スミスの連呼に「もうわかったから」ってツッコミを入れたくなっちゃいます。いや読めて意味に引っかかるからそうなるんだけど。

03bill_josh_104bill_1ふたりには世代差があるそうで、ベトナム戦争時に起こったカウンターカルチャーの気運が現代の感覚と融合して、アンフォルメル(抽象絵画)、コラージュ、ドローイングなどなどが混ざったこんなワールドをつくり出しているようだ。ドローイングがいい。ちょっと怖い内容もあるのかもしれないけど。


個人の殻から生み出されたアートが、いつの時代も人々に何らかの新しい価値観をもたらしてきた。美術の歴史は細分化されて分断され、終わったと言われ(いったん終わったのかもしれない)、しかし穴蔵を通じて何か引っ張り出されるというか、細胞の分裂やら統合やらがグワグワとまた始まったのかもしれない。ちょっと簡単過ぎる言い方ですが。


05billgari__1木版やガリ版刷りみたいなシルクスクリーンには地味ながら惹かれる。彫りだけではなく紙の表情も見せる日本の版画にならって、キャンバスの地の質感を出したのかとも思った。古本屋で見かける昔の演劇公演のチラシみたいでもある。オススメ展。


2006年9月2日(土)〜30日(土)
HIROMI YOSHII
東京都江東区清澄1-3-2 6F
11:00-19:00 日祝月休
TEL.03-5620-0555

words:白坂ゆり

2006-09-29 at 03:28 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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