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2006/07/27
三つの個展:伊藤存、今村源、須田悦弘
伊藤存、今村源、須田悦弘という個性の異なる3人のアーティストの個展が同時に国立国際美術館(大阪)にて開かれている。
2006年6月27日(火)〜9月18日(月・祝)
月曜休館(祝日を除く)
作者と語る:須田悦弘 8月26日(土)午後2時より 国立国際美術館B1階講堂にて
(左:今村源 作品展示より)
今村源は会場を1枚の壁で区切って2つのパートをつくるような構成にしている。今村の作品を「彫刻」という言葉を用いて作品を説いてゆくことには抵抗がある。日用品などに手を加えたり、石膏や樹脂などを用いてつくられた造形は確かに彫刻的ではあるが、そこには収まりきらないものである。物質としてつくっているが、彼がつくるものが単体で意味をなしてゆくというより、周囲との関係、あるいは彼が設置したいくつかのオブジェが相互に関係し合いながら成立している。
伊藤存は、刺繍や手描きアニメーションという手法で、手の感触を残しながら、自然世界などを独特の視点で描き出す。今回の展示で初期の作品から最新作までの集大成を観ることができる。
須田悦弘は巧みな技術で本物と見紛うような木彫の植物をつくる。それらを見過ごしてしまいそうな展示室の隅や壁の高い位置に配置するなどしてきた。この個展では、わざと仮設壁の背面を見せ、作品のある床も壁も真っ白な空間とのギャップをつけている。ライティングにより、影がもたらす作用も計算づくという見せ方である。
雑音を嫌う作品群のようにも感じた。それぞれの作品を愉しむには、その世界に入り込むことこそが秘訣かも知れない。
words:原久子
2006-07-27 at 06:03 午前 in 展覧会レポート | Permalink
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