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2005/02/10
Migration -take off shoes- 河合勇作展
「微妙な歪みの魅力」
河合勇作さんは「Migration」と題して乗り物らしき立体を制作している。飛行機、自転車、スポーツカー…そして今回ギャラリーの真ん中にはボートがはびこっていた。しっかりオール付き。スチール板を溶接して空洞状の管にしているが、ポイントは意図的につくりあげた歪み。画用紙に走り書きをしたような図形が、細い部分は細く、太い部分は太く、というように3次元へ移行しているのだ。
それは直線よりもはるかに労力のかかる仕事だが、そこにこだわっていると以前話してくれたことがあったので、つい溶接部分に目がいってしまう。一筆書きを思わせる描線がまた面白い。随所に「手仕事」をうかがわせる作品は造形がユニークなだけでなく、温もりがあり、作家の人となりを感じさせる。
今回、ボートの他に、一輪車、シューズ、鏡の付いた小さなドアの作品が出品されていた。じっくり対峙するほどに制作の意図が見え隠れし、感心したり笑ってしまったり…。河合さんの乗り物はそこに在る立体物にとどまらず、思考のワープも可能にしてくれるマシンなのである。
Migration -take off shoes- 河合勇作展
GALERIE SOL
東京都中央区銀座6-10-10 第2蒲田ビルB1F
2005年1月31日(月)~2月12日(土)
11:00~19:00(最終日は~17:00)
無料
TEL 03-5537-6960
words:斉藤博美
2005-02-10 at 02:06 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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