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2005/02/18

本間純展

「足下と向こう岸」

honma1honma2「horizon」より

自分の足下の地球の中では、こんな椅子とテーブルの世界がつながっている? トランプタワーのように天井と床に張り付いて伸びている椅子とテーブルは、白と黒のツートーンで“実像と影”のように対になっていて、“対話”をイメージさせる。

 白と黒に分かれることで見えてくる地平線。その向こうに、家や木のかたちが並んでいる。タイ辺りの水上の家のようだったり、イスラムのモスクのようだったり、限定せずにイメージされるかたちをシンプルに切り取っている。それもまた白と黒で対になっていて、テーブルに置かれたティーカップのようでもあり、水平線を滑って行く船のようにも見えてくる。ちょっとした違いで、無機質に建築のかたちを取り出したのではなく、人が生活していた気配を想像させるような温度を感じさせる線やかたちになっている。
 本間は越後妻有アートトリエンナーレに二度とも出品していて、この妻有での自然や人々の暮らしに触れて以降、てらいがなくなり、素朴さを見せるようになったと思う。で、なおかつ今回は人工的なシャープさも同居していて、危うさや不条理も感じさせる。
 実際の空間が狭いのでもっと距離があるといいのだが、一瞬謎めいていて次第に良質の絵本をめくるように空間が開けてくるようだった。つい近視眼的に自分の空間を狭めてしまいがちだけど、世界で同時に起きているさまざまなことを思い出す。悠長にも見えるかもしれないが、一人一人が想像力を働かせたときに拓かれることってやっぱりあると信じたい。

本間純展ーhorizon
2005年2月7日(月)〜19日(土)
ギャラリー現
(京橋駅より銀座1丁目コージーコーナーを左折、2本目の三原通り沿い)
11:30〜19:00(最終日17:30まで)
日休
tel.03-3561-6869

2003年のインタビュー

words:白坂ゆり

2005-02-18 at 03:29 午前 in 展覧会レポート | Permalink

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コメント

本間さんファンなので4回も展示見に行きました!
今回のはシンプルでカワイイ
でも絶対キュン!とする・・・のでやっぱり好き!です

投稿情報: ヤサイサン | 2005/02/28 1:54:07