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2003/05/08
中川敦夫展
「優しく熱いグラフィッカー」
初日の会場風景
■太いフエルトペンを使って中川敦夫は絵をギャラリーの白い壁に直接描いてゆく。幾つもの頭が連なっていたり、目玉が飛び出して思わぬ場所についていたり、と彼の持つペン先からはグロテスクな肉体がどろどろと生まれ、繁殖してゆく。
■中川は初めて観たSFホラー映画『惑星からの物体X 』(リメイク版)の映像が今でも脳裏に焼き付いているという。その映画に登場した怪物たちが彼の想像を掻き立ててくれるのだそうだ。その恐怖を覚えるような刺激がトラウマとならず、そこから活力を得ているといってもいいかもしれない。
■昨年の夏、全長約23m、高さ約4.5mの壁(海岸通ギャラリーCASOのD室)で、電動タワーに乗って高い位置で中川が絵を描いている姿を観た時、その集中力と想像力のパワーに驚いた。壁ではグニョグニョ、ぷつぷつしてどこから初まるともなくつながる怪物がたくさんの目をいろんな場所で光らせ、歯をむき出していた。
■紙に描いた絵をいったんカラーコピーし、キャンバスに転写したタブロー3枚。そして、キャンバス布に事前に描いておいた3枚の絵を壁に張り付けて、そこから今回の個展では“かいじゅう"たちの身体を増殖させていっている。
■会期中は、いつも本人がギャラリーにいて絵を描き続けているので、話しかけても勿論OKだ。こんなおどろおどろしい絵を描いているが、いつも笑顔で会話に応じてくれ、とても優しいナイスガイだ。しかし、そのまなざしは熱い。
「かいじゅうの王冠」中川敦夫個展
2003年5月8日(木)~20日(火)
複眼ギャラリー
大阪市中央区西心斎橋1-6-26 3F
(1F宝くじ売場横の階段を上がる、
地下鉄御堂筋線「心斎橋」から徒歩3分)
12:00-20:00
水休
TEL.06-6253-3266
初日の会場風景
初日の会場風景
4日目の会場風景
4日目の会場風景
4日目の会場風景
1週間目の会場風景
2003-05-08 at 02:37 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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