中比良真子/みやじけいこ展

「これからの展開が楽しみな新人たち」

中比良真子
(左)WATERING No.14(右)WATERING No.12

■若手作家の発掘・育成プログラムとして2001年からはじまったNomart Projectsは、今年は三脇康生(美術評論家/精神科医)をキュレイターに迎え、シリーズで10人を紹介してゆく。第1弾がこの中比良真子とみやじけいこの2つの個展だ。

■中比良真子は今回が初個展となる。木製パネルに油彩で描かれたペインティングは、いずれも水に入っている人物像だ。壁の高めの位置に展示されたタブローは、描かれた水面にレベルを合わせるように配置。床を白く塗り替え、蛍光灯で室内全体を万遍なく明るくしているせいか、会場に入るとプールの中に潜り込んでいるかのような錯覚に陥る。

■上から水の中、あるいは水中から水面に映る身体の像を丹念に描いている。水をフィルターとして観ることで、身体の境界がさまざまに変容する様を描き、存在について問いかけている。

■みやじけいこは、デジタルプリントによる人物像を、すりガラスと合わせて展示。模様入りのすりガラスは、懐かしさなどを感じさせる。初めての試みとして、ガラスに直接シルクスクリーンをプリントしてみた。

■屈託のない幼い男女が戯れる場面、二人の身体、会場内の樹木と影を使ったインスタレーション。そこに見えている現象の曖昧な差異などの関係性について考えさせられる。

■未知の可能性を秘めた若手作家の今後の展開に期待したい。

Nomart Projects #02
中比良真子:WATERING
みやじけいこ:近い影/遠い景色
2003年2月8日(土)～2月28日(金)
ノマルエディション / プロジェクト・スペース CUBE&LOFT
大阪市城東区永田3-5-22
(地下鉄中央線「深江橋」駅より徒歩8分)
11:00～19:00(土のみ13:00～19:00)
日・祝休廊
TEL.06-6967-1354
　
words:原久子

中比良真子
(左)WATERING No.12(中)WATERING No.11(右)WATERING No.13

中比良真子
(左)WATERING No.15(右)WATERING No.14

中比良真子 WATERING No.13

みやじけいこ
(左)近い影/遠い景色-男の子(窓)-(右)近い影/遠い景色-女の子(窓)

みやじけいこ
(左)近い影/遠い景色-女の子-(右)近い影/遠い景色-2人で

みやじけいこ
近い影/遠い景色-男の子(接触)-

みやじけいこ
Scene 4 ,シルクスクリーンにガラス板