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2002/09/28
まだ白く、もう白い-projection for art-Link
「バーチャル空間の中をさまよう」
映像は白い画面からはじまる
■東京藝術大学、東京国立博物館、寛永寺を舞台に行われるインスタレーションがあると知り、興味を持った。各所で2、3日間ずつ、時期をずらしての開催で、9/27-29の芸大バージョンを見に行った。
■大学美術館前の広場にスクリーンが3枚吊られている。午後6時から8時と告知されており、到着した時にはすでに始まっていた。無地の細長い布が何枚も天井から下げられている空間に入り込んでいくような動画で、左右のスクリーンがシンメトリーとなり、巧みに空間に誘い込む。色は白、赤、黄、緑、青とゆったり変化していき、次第にフェイドアウトする。そしてまた新しい空間がひろがっていく。
■映像は向井知子さんの作品。CGサウンドは小倉一平さんが担当。「まだ白く、もう白い」という作品は向井さんが1995年から展開してきた空間演出プロジェクト。ドイツを拠点に教会や美術館という公共空間で上演してきたが、日本で実施するのは初めてとのこと。
■私は地面に座って30分ほど眺めていた。聞けば、4分に満たない映像を繰り返し投影しているそうだが、見ている時はそのサイクルがつかめなかった。スタートする白い映像からの展開が、毎回同じものなのか、違うのか、何度見ても確信が持てなかった。それほどあいまいに記憶され、消えていってしまう不思議な感覚を覚えた。そして「まだ白く、もう白い」の意味が自分なりにわかった気がした。
■同プロジェクトは毎年上野・谷中地域で開催されている「art-Link」というアートイベントの一環でもある。美術館、ギャラリー、寺社、商店など26個所で、展覧会やパフォーマンスが繰り広げられる。アートマップもレンタサイクルもあるので、散策にはもってこいだ。
まだ白く、もう白い
-projection for art-Link
2002年10月4日(金)~10月5日(土)雨天決行
東京国立博物館本館玄関ホール
東京都台東区上野公園13-9
(JR「上野」公園口より徒歩6分)
18:00~20:00
入場無料
問合せ
東京藝術大学大学美術館
TEL.03-5685-7685
「art-Link上野-谷中2002」
2002年9月28日(土)~10月14日(月)
words:斎藤博美
赤くなると雰囲気も一掃される
3枚のスクリーンを横から見たところ
スクリーンの前を人が歩き作品に溶け込む
東京国立博物館の玄関ホールで10/4-5に開催
同イベントは閑静な寛永寺境内で締めくくる
art-Link企画、SCAI THE BATHHOUSEでの小谷元彦/西尾康之「循環鋳造」展示風景
2002-09-28 at 08:05 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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