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2002/06/15

岡崎絵美展 rhythm

「クールダウン」


art159_02_1会場はこんなふうにとてもいい雰囲気


■ワールドカップ最終日。今日でお祭り騒ぎの日々ともお別れかあ、という翌日からの不燃焼事態が気になりながら、遭遇した展覧会。

■2階のギャラリーへ向かうビルの入り口のところに製氷皿みたいなしゃれた花器が目についた。へぇいい感じと思いながら階段を昇ると右手に展示室(GALLERY gala)。ガラス作品のインスタレーションがあまりにいい雰囲気を醸し出していて、すーっと引き込まれるように会場に入ってしまった。薄灯りの部屋に四角く敷き詰められた白い砂。その上に四角いころころとした箱型ガラスが無造作に並んでいる。ほのかな緑青色をしていて、床の茶、砂の白と馴染んでいる。

■ガラス作品は棚に並べて愛でることが多いが、このように砂に並べるのって新鮮だった。大きなひとつの作品として楽しめるが、個を無くしてしまったわけでもない。表情豊かな各パーツが全体のバランスをとっている。よく見ると、ガラスの突起跡が衝く付けられている空間があった。重さで砂に少々沈みかけているところがいいんだなあ。白い砂(ガラスの粉?)と思っていたが塩であることが後で判明した。

■これらの作品はキャスティングという型取り技法で制作しているとのこと。磨りガラスを溶かして再構築したものなのだ。作家の岡崎絵美さんは私の初歩的質問にひとつひとつ丁寧に応えてくれた。表面がくもっているのは、型取りした石膏の痕跡だそうだ。見えそうで見えない半透明状態がミステリアス。作品ファイルを見せてもらったら、吹きガラスも手掛けていて、その表面には今回出品しているようなオブジェがラフな線で描いてあった。その線がまた魅力的で、ガラスと絶妙な相性を持つ作家だなあと感じた。

■ガラスは触らなくてもひんやり感が伝わるものだ。不快指数の高い梅雨に、一服の清涼剤。この時期、ガラスとは離れがたい我が身にあらためて気づくと同時に、サッカー熱を冷ますにはもってこいというか。その晩、憧れのGKが破れ心で泣いたのだった。

岡崎絵美展 rhythm
2002年6月15日(土)~7月14日(日)
GALLERY GALA
東京都世田谷区梅丘1-26-5 小山ビル2階
(小田急線「梅ヶ丘」駅より徒歩1分)
11:00~18:00
月曜休
入場無料
TEL 03-3439-3364

words:斎藤博美

art159_02_2一番背の高い作品がある部分のアップ

art159_02_3さりげない痕跡が面白い

art159_02_4手にとりたくなるようなオブジェたち

art15902_5階段に沿って展示されていたキュートな作品

2002-06-15 at 03:45 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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