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2002/04/01

同時代の作家達

「太く長く」 


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(会場風景)正面=浜本隆司作品、左3点=中西學作品、左から4番目小西祐司作品


■大阪では北区西天満の老松(おいまつ)通りに骨董美術商などを中心に画廊が集まっている。4月1日、その老松通りに新しい画廊が産声をあげた。ビルの2階部分に3室と3階に2室の合計5室。天井の高さも十分にあるし、広さといいきれいなフローリングの床といい、レンタル料の値ごろ感といい、若いアーティストや発表の場所を探している人たちにとっては朗報だろう。

■オープンを記念して企画された「同時代の作家達」展は1960年前後生まれの10人の同世代のアーティストのグループ展だ。少し年齢が下のメンバーもいるが、同じ時代を過ごしてきたといっていい人たちだ。80年代半ばから活発に作品発表してきた彼ら、作品の傾向はそれぞれに異なるが、精力的にこの約15~20年間を駆け抜けてきた作家たちである。

■小西祐司のように一貫してウサギをモチーフにペインティングを描き、いい意味でスタイルを保ち続けている作家もいる。小野寺聡も動物をモチーフとして動きと強さのある画面を描いていることでは変わらない。西村正幸も色彩や構図などの面では変化は見られるが、80年代から継続して旧約聖書から題材をとるなどして心象風景を作品に丁寧に映し出している。

■年齢と経験を重ねることで、技術的な厚みをもってきていることや、より物事の深層を表現しようとするところは、進化といえるだろう。私事ではあるが、筆者は西天満界隈の画廊をまわるようになって17年になる。この「同時代の作家達」とまさに同世代だ。時は変化し、状況は変化し続けている中でも、自己を失わずに太く長く生き抜いている彼らの今の表現を見せてもらえることを嬉しく思う。

【出品作家】
大舩光洋・小野寺聡・小西祐司・立嶋滋樹・中西學・西村正幸・浜本隆司・福田新之介・三村逸子・山本修司


同時代の作家達
2002年4月1日(月)~13日(土)
ギャラリー千
大阪市北区西天満4-8-3
(地下鉄御堂筋線「淀屋橋」駅下車徒歩8分)
11:00~19:00 日休
TEL.06-6364-2011


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(会場風景)会場は2室あり、作品が並ぶ

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立嶋滋樹「SLOW」キャンヴァスに油彩

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小野寺聡「緋色の獣2」キャンヴァスにアクリル

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小西祐司「夏の庭シリーズ」キャンヴァスにアクリル

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三村逸子 上=「風の周辺」シリーズから 紙にアクリル  下3点=「種子のリズム」シリーズから キャンヴァスにアクリル。

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(会場風景)左2点=西村正幸作品、右=三村逸子作品

2002-04-01 at 09:39 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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