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2001/12/17
川島慶樹展
「アートっていいな」
(床置き)「みんな男になる」(ランプ)、「みんな男になる」(シャンプーケース)
(壁面左から)「赤い梯子」、「麒麟」、「ウララ」
■画廊に入ると、ちょっとしかめっ面して考えながら見る作品が並んでいることが多い。この展覧会は違う。陽気にリズムをとりながら踊りたい気分になってくる。白い羽根がアクセントになった「千鳥ステレオ」から時折スペイン語とおぼしき言葉をはさんでラテンサウンドが流れてくる。
■展覧会タイトルにもなっている「みんな男になる」を見ていても、つい笑いがこみあげる。花びらを象った蛇口のようなボタンを押すようになっていて、ゾウの鼻みたいな部分の先には穴が空いている。いったい、これ何?と思ってよくみると、マットの部分に「題:皆男に成る、使用:頭髪用洗剤入浴室彫刻、・・・・」というタグがついている。そう、別な表現をすれば“シャンプー入れにもなった風呂場に置く彫刻"とある。それも注意書きには、“シーブリーズ専用"とある
■ほとんどのシャンプーがフローラル系だが、男性専用のシャンプーにはメンソール系のスカッとするものが多い。男は頭をスキっとさせて、さあオレは男になるぞ~と気合いを入れないと外にも出れないとしたらタイヘンそうだが。こんなお茶目な彫刻が味方になってくれるなら頑張れる人もいるのか…(?)。女だって、唇に紅をひいた瞬間に女になるぞ~ってタイプの人だっているわけだから。ここにはコ難しいジェンダー論は不用で、いろんな人間がいることを認め合った上で、笑い飛ばしたい感じだ。
■ばかばかしいほど大真面目にかつ吹っ切れている作品、ここまでこだわったのね、というような床を這うコードやコンセントの色や形にも“花マル"をつけたい。川島が私のこんな展覧会の見方を気に入ってくれるかどうか心配だが、キッチュなクリスマスのイルミネーションを街で散々見せられた後には、「アートっていいな」と思える秀作だった。
川島慶樹個展「みんな男になる」
2001年12月17日(月)~12月26日(水)
番画廊
大阪市北区西天満2-8-1
(地下鉄・京阪「淀屋橋」駅徒歩5分)
11:00~19:00(土曜・最終日~17:00) 日休
TEL.06-6362-7057
「みんな男になる」(シャンプーケース)
ボタンを押すと先から白いシャンプー液が飛び出す。
「みんな男になる」のシリーズには下に付いたマット部分にこんなタグがついている「題:皆男に成る、使用:頭髪用洗剤入浴室彫刻、・・・・」
左から「ローズチェア1」「ローズチェア2」
光が点滅する「スキンレスジョニー」
(壁左から)「千鳥ステレオ」、「桜プレーヤー」、「カラッポACアダプター」、「カラッポ」
(床置き)「みんな男になる 歌うウーハー」
2001-12-17 at 01:08 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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