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2001/11/24

額田宣彦‐仮説の宇宙

「仮説の仮設」


■キレイな色面の空間が好きだ。太陽がサンサンと照り返す暑い日、青山で見たのは外資系オフィスを使った体操器具の絵画展だった。襟を立てても北風が頬に凍みるこの季節、同じようにビビッドな色彩で一見単純に画面を埋めている作品と対峙した。タテ、ヨコ、ナナメ線を駆使して、ボックスをジャングルジムのように無数につないでフラットな画面に面白い空間をつくっている。

■額田宣彦さんの個展が2カ所で開かれている。四角いボックス、円をモチーフにした展開、室内らしき作品など、どちらの会場でも数種のシリーズが見られる構成になっている。単純にしてキレイな絵画がすっきりと収まっている空間にたたずむのもなかなか幸福である。

■タイトルには「仮説」とあるが、画面から受けた印象は「仮設」だった。線の組み立て方がパースペクティブで、建築パースのようで、一時的(仮)な感じがするのだ。更なる変化を前提にした作品であり、今見てているのはその過程の断片、と私には読みとれてしまった。

■線が交差した部分を突起と見るか、へこみと見るか。額田さんの絵と向き合うとついそんな視覚の実験をしてしまう。それが簡単にできるものとできないものがあり、ムキになることもある。ピンクやオレンジのおいしそうな色面が目の前にあるという現実にひきもどされると、凹凸にこだわらずフラットに見てもいいなあと思い直したりする。

■そうそう。線はすべてフリーハンドで描いているそうだ。マスキングテープなど使ってないらしい。線の微妙なゆがみが、想像力を広げてくれる。カセツの宇宙はなかなか広い。

額田宣彦‐仮説の宇宙
■2001年11月24日(土)〜12月22日(土)
エキシビション・スペース
東京都千代田区丸の内3-5-1
東京国際フォーラム1F フォーラム・アート・ショップ内
(地下鉄有楽町線「有楽町」より徒歩2分、JR「有楽町」より徒歩2分)
10:00〜20:00(無休)入場無料
入場一般600円、高大生400円、小中生以下無料
TEL.03-3286-6716
■2001年12月1日(土)〜12月22日(土)
ギャルリー東京ユマニテ
東京都中央区京橋3-2-18 第一会館ビル1F
( 地下鉄銀座線「京橋」駅下車、徒歩2分 10:30〜18:30(日曜休)
入場無料 TEL 03-5255-3210


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エキシビション・スペース会場風景

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「Self(01-1)」のアップ:ギャルリー東京ユマニテ

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左は「Reel(01-2)」右は「The Point」のシリーズ:ギャルリー東京ユマニテ

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「three lights in a room」:エキシビション・スペース

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「Uncertainty」:ギャルリー東京ユマニテ

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左は「The Point」右は「Reel(01-1)」:エキシビション・スペース


2001-11-24 at 12:58 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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