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2000/10/08
Oneday Gallery Project
「共同作業は楽しいけど難しいけど楽しい」
壁に掛けられた椅子80脚。これは椅子にもテーブルにも組合わせると棚にもなる。
■毎週展示替えを行ない、8週間にわたり、週末のみオープンする企画がOneday Gall ery Project 。ギャラリーの休暇期間に、道に面したウインドウの部分だけに作品を展示をしようと考えていたオーナーが、今回の首謀者である画家の谷本天志さんに相談を持ちかけたのが発端だ。
■ウインドウ・ギャラリーではつまらない、と谷本さんは考えた。ギャラリーそわかは、地下1階と地上2階、全5室あって、白い壁の広くて理想的な空間だ。なかなかこんな好条件で作品を発表する機会に恵まれない若い作家が、たった一日だけでも思いっきり好きなことをできるような場をつくろう、とオーナーに提案。ものわかりの良すぎるオーナーのはからいで実現した。
■谷本さん自身は、今回は裏方に徹した。彼が講師を勤める芸術大学の大学院生なども含め、毎週複数のアーティストや建築家など様々な分野の約40組のクリエーターたちが、自主企画・自主運営できりもりする。すべてが「実験」だったかもしれない。
■深い交流があったわけではない人がいっしょに一つの「場」をつくりあげようとすれば、自ずとコミュニケーションを持たねば、自分で表現したいことを見せる場をつくれない。ここにはヒエラルキーは一切持ち込まれていないが、実力でものを言っていかねば、ある種、弱肉強食の厳しい世界だ。展覧会がはじまる前は修羅場である。しなやかに空間を活かす人もいれば、空回りに終わる人も当然出てくる。
■カフェもつくられ、人々の交流の核になるが、この運営も綿密な計算が必要となる。週末だけに限られているので、集中してお客は多い。人が足を運ぶ時間帯の読みもいる。仕入れの加減や、お客を待たさず注文に応じることなど、本気で皆なガンバっていた。
■ホワイト・キューブのなかで、自分がアーティストとしてどこまで満足した展示をし、いい空間を作ることが出来るのか確認すること。ここを次のステップを模索する起点にしようということも意図として一つあった。画廊や既存の展示施設を出ていく傾向も一方で根強くあるが、基本に一旦返ること、とでもいうのだろうか。皆さんの次の展開が楽しみだ。
Oneday Gallery Project
2000年10月8日(日)~11月25日(土)
ギャラリーそわか
京都市南区東寺東門
11:00~24:00(本展に限り開廊日は週末のみ) 入場無料
TEL 075-691-7074
ユニット椅子(?)作品は、展示台にもなっているし、みんなの椅子にもなっていた。
10月22日のメインカフェ
種から植えたカイワレ大根も立派に育ち展示
再生紙の卵ケースを壁に張り付けた部屋ではライヴ
4週間後に迫るプロジェクトの打ち合わせが行なわれていた
2000-10-08 at 06:16 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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