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1999/02/27

akihabara TV

「やっぱり電気製品が好き!?」


art56_01店頭のモニタでいきなり作品が流れてるなんて誰も思わないだろうけど、じっと見てる人がいるとかなり目立つ

■秋葉原電気街全域を会場としたビデオインスタレーションの展覧会「akihabara TV」が開催されると聞いて、久しぶりに秋葉原に行ってみた。僕は小学生の頃からメカ類が好きだったから、最新型の電化製品が「ずらっ」と並んでいる秋葉原はまさに憧れの街だったのを思い出したりして。

■この展覧会は、アーティストら数人が集まったノンプロフィット(非営利)のアートスペースをもつ「command/N」の企画により、11か国から25作家が参加している。映像作品は、秋葉原の各店舗のモニタ(テレビ売場の展示用、街頭の大型モニタなど)上で流すという前提でつくられたもので、一作品一分というもの。

■もちろん、展覧会なら「command/N」でもできる。それを秋葉原の電気街でやることの意味ってなんだろう? と思う人もいるかもしれないし、逆にギャラリーや美術館だけが作品を見る場所なのか? という疑問も当然あると思う。アーティストだって、美術館での展覧会に参加したいし、毎日の生活のなかでも触れられるものでありたいと願っているはず。そのひとつの試みとして、秋葉原のあの街並のなかで、映像作品がどのように見えるのか/見られるのだろう?

■僕が行ったのは土曜日ということもあり、かなりの人通り。メゲずに地図(店舗やcommand/Nで配付)を頼りに歩く。店舗によってモニタの場所はまちまちだから、キョロキョロ探してると「にいちゃん、どんなテレビ欲しいの?」という店員の攻撃にあってしまった。平面テレビ、小型テレビ、マルチビジョン……などなど、宝探しの気分。

■最初は「人は多いし、どこで流してるのかゼンゼンわかんないじゃん」と思った僕だけど、店員が声をかけてきたり、隣でテレビを選ぶ客が色みとか音質のチェックに余念がないとか、一家に一台以上ありそうなテレビなのに、新製品がこれでもかと並んでいるのを見るのは、買う気がないだけに新鮮な気分だ。

■ここにくる人のほとんどが、電気製品目当て。そんななかで作品を見ていると、小学生のころの気分を思い出す。あの頃は「買う」なんて意識はなかったけど、見るのはカタチとか性能ばかり。電気製品にひかれる人は多いと思うけど、家で番組じゃなくテレビそのものを見てるわけでもないのに、どうしてだろうね?

akihabara TV
1999年2月27日(土)—3月14日(日)
秋葉原電気街
command/N
東京都台東区上野1-2-3犬塚ビルBF
TEL.03-5812-7506
command/Nは13:00〜20:00、無休
各店舗はそれぞれの営業時間による

words:桑原勳

art56_02command/Nの外観。ここでは静かに作品すべてを見ることができる(協力:嶋田丈裕)


art56_03参加店舗にはこのような目印あり。地図もここでゲット


art56_04店舗内はさすがに撮影できない場所が多いので掲載できずスミマセン。かわりに秋葉原の夜景など(笑)


1999-02-27 at 11:04 午前 in 展覧会レポート | Permalink

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