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2005/03/29

玉井健司展「苔のむすまで」

先日お知らせした展覧会について、写真やテキストを添えて更新し直します。

「アウトドアのなかのインドア」

tamai-gig「gig」

 玉井は海賊の血を引いているらしい。彼は冒険家からアーティストになったのではなく、アート活動と冒険が一体にあるから、海に潜り、岩に登る。 

今回の展覧会に寄せた作家の言葉だ。
「最近海に行くようになった。

私に釣を教えてくれた父は、山と海に囲まれた家で生まれました。
祖父はその家で育ち、砂浜の近くの家で死にました。
昔の海賊は村が人で一杯になると、灰色の海に緑の土地を求めて
家族を連れて航海に出なくてはならなかったようです」
 
 雪山の山頂にフェンスを置いたり、海に入って釣り用のジグを浮かせたり、波間に見え隠れする岩場に菜の葉を並べたりして撮影した写真作品などを展示。 しかし、時に危険を犯し、それによってつくりものを越えた何かが生まれることはあっても、どのように作品をつくったか、プロセスを表には出さない。どこかにあるようでない、現実と虚構の入り混じる新たな土地を切り開く。
 額装したガラスの映り込みによって、フレームのなかの海底に踏み出すように立ってみる。オープニングに行われたサラダ・パーティーの痕跡を残すガラス・テーブルが吊るされている。ガラスの下から食材の名が読める。緑の菜の小さな宇宙。花が一輪。新しい茶道?海底や雪山に降りて来た(あるいは取り残された?)透明の土地を想像した。
 「苔のむすまで」。つまり(あっけないはかなさを知りつつも)永遠なれということだろうか。自然の大きな時間のなかで、 フックをかけたり、囲いをつくったり、間合いを取りながら、ちょっと庭をつくらせてもらうように写真を撮っているように見える。


2005年3月5日(土)〜4月2日(土)
玉井健司展 「苔のむすまで」
レントゲンヴェルケ
東京都港区六本木6-8-14コンプレックス北館3階
11:00−19:00 
日・月・祝休
TEL. 03-3475-0166

IMG_0「snow peak」

tamai展示風景

words:白坂ゆり

2005-03-29 at 10:10 午後 in 展覧会・イベント情報 | Permalink

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» 展覧会 from 僕のデスクからは空がみえる
玉井健司「苔のむすまで」展、今日で終了です。 ご来場くださった皆様ありがとうございました。 まだいらっしゃってない方々は、本日19時までです。お待ち... [続きを読む]

トラックバック送信日 2011/06/05 11:48:08

コメント

インタビュー載ってます。

投稿情報: sato | 2005/03/05 8:00:40