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2000/04/07

マコトフジムラ展2 1990-1992

「作品と住居、相性バッチリ!」


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趣きある門から会場へ

■東京・世田谷の閑静な住宅街で、とてもイイ雰囲気の展覧会が開催されている。アメ リカ在中のアーティスト、マコトフジムラさんの個展である。昨年から毎年この時期に 、マコトさんの仕事を年代で区切り全3回にわたって提示するプロジェクトの一環なの である。第2回目にあたる今回は、1990~1992年制作の作品が11点出品されている。

■普段、白い壁の無機質な空間で作品を見ることが多い私は、その反動のせいもあって 、東京都庭園美術館の旧朝香宮邸のような邸宅をはじめ、喫茶店、居酒屋、病院など、 もともと展示のための空間とはちょっ違った場所で行われている展覧会を好む傾向にあ る。作品と場所の相性を見るのがとても面白いからだ。マコト展の会場である潺画廊( せんがろう)は、住宅を展示室にしているギャラリーだ。門をくぐり、敷石を歩き、母 屋へ向かう。

■まず和室へ通された。左手壁面にある、青い2点組の作品「The Ark of Covenant-Side/契約の箱―横」がぱっと目をひく。ものすごく透明感のある綺麗なブルーだ。向かって正面 には「Junan Panel Series#34/受難」という白がベースの作品。落ち着いた和室で整然 と展示された作品を眺めていると、画面から何かが漂い出たかのような独特のオーラを 感じる。

■奥の部屋へ案内される。今度は洋室だ。こちらには赤と青の150cm四方の大作がそれ ぞれ壁面を飾っている。にじみやぼかしによる抽象画スタイルで描かれているマコトさ んの絵画は、心の風景そのものだと思う。じわじわと静かに浸みこんでくる感覚に慣れ はじめた頃、最後の展示室である茶室へ移動する。

■ここでは、やはり正座して鑑賞することをお勧めする。灯りでうっすらと照らされた 茶室で「Futako Tamagawaen#26」を見つめながら、絵のある生活にリアリティを感じは じめた。

マコトフジムラ展2
2000年4月7日(金)~5月28日(日)
潺画廊
東京都世田谷区深沢6-4-12
(東急新玉川線「駒沢大学」駅下車、徒歩15分「深沢不動前」バス停の近く)
13:00~18:00(金土日のみ開廊)入場無料
TEL. 03-3703-6255

words:斎藤博美

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和室に馴染んだ作品群。
左手前「The Ark of Covenant-Side/契約の箱―横」。 右奥「Junan Panel Series#34/受難」

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洋室には赤「Jericho1/ジェリコ」と青「Jericho2/ジェリコ」の展示

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これが茶室だ!

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「The Atonement Cover#1/贖いの蓋」玄関に展示されていた作品

art107_02_6緑の豊富なお庭もある


※写真クレジットは全てSEN GAROU

2000-04-07 at 01:00 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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