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2000/03/14
池田朗子個展/ドローイング展
「ループ」
個展会場風景。人工芝のうえに、赤いフエルトでつくった小さな柵が、メビウスの輪のように壁までのびている。
■2月にアーティスト・インタビューに登場してもらった池田朗子さんが待望の個展とドロ-イング展を行なった。会期が1週間だったため、すでにこのサイトにアップされるときには展覧会が終わっているのが残念だが、見ることのできなかった人たちのためにご報告したい。
■個展会場の床には濃い緑の人工芝が敷き詰められ、中央にステンレス製の小屋がある。その小屋をまるく取り囲んで、高さ3cmほどの柔らかいフエルトに切り込みをいれた柵がある。この柵は壁の高い位置までメビウスの輪のようになってのびている。
■見る角度によっては、人口芝が映り、何もないかのように、小屋の存在が見えなくなる。インタビューをした時、どんな作品を出すのかと尋ねると、「これがヒントです」と見せてくれた写真。なるほど、写真の画面の端を、画廊の壁と見立てて、犬(ぬいぐるみ)が壁から飛び出している。正面には、写真でみた洗面所の一部の写真。いろんなものがくるくるとループしている。つくり出された状況のなか、洗面台に残る水滴が唯一“現実”を感じさせるものとしてある。
■いろいろなドローイングがある(ちなみに、3月17日発売『美術手帖』4月号も特集を組んでいる)。一般には、線描、あるいは、鉛筆、木炭、ペン、クレヨンなどを用いて描いた図画をドローイングという。しかし、池田さんは写真を彼女にとってのドローイングと位置付けている。カメラを使って、印画紙の上に描いた(プリントした?)図画なのだ。
■歩くと20分ほどかかる2会場での展覧会。この二つもくるくるとループしているように思えた。卵が先か、鶏が先か…、そちらを先に見ても同じ。ロンドンへの留学から帰ると、また新しい作品を見せてくれるのだろう。
池田朗子個展/ドローイング展
2000年3月14日~19日
アートスペース虹
(京都・tel.075-761-9238)
Weissraum
(京都・tel.075-761-8565)
鏡面仕上げのステンレス製の小屋には芝の緑が映り込んで、そこに何もないような錯角を起こす。
壁から犬が飛び出している
ドローイング展会場風景
この写真によるドローイングから、個展会場のインスタレーションが発想された
2000-03-14 at 12:22 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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